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【雑記】「目覚めると白い部屋」のメリットとデメリット

「目覚めると白い部屋」が七分に、海が三分!

「目覚めると白い部屋」が七分に海が三分だ!

目次

 

「目覚めると白い部屋」

 

今年に入ってブログやTwitterを始め、井戸の中から這い出して大海へと飛び出してみたのだが・・・

 

近年のCoCは「目覚めると白い部屋」というジャンルが流行しているらしい。

 

今更ながら気づくとは、本当に井の中に引きこもっていたわけだ。

 

実際、Twitterで回って来る情報や、シナリオ投稿サイト『シナーチ』に掲載されているシナリオも「目覚めると白い部屋で・・・」という内容が多い。

 

統計をとったわけではないが、結構な割合で「白部屋」が出回っているのではないだろうか。

 

「白部屋」のメリットとデメリット

 

私は古い人間なので、なぜこのタイプのシナリオが溢れているのか正直疑問であった。

 

そこでTRPGの友人に教えてもらったり、自分で調べたりして私なりに整理してみた。

 

メリット

動機付けが簡単

 シナリオ作成でしばしば悩むのは、探索者が異変に関わる動機だ。どうやって異変に関わらせようか、無理筋なく設定する必要がある。ところが「白部屋」は動機が必要ない。「黒幕の悪意で攫われた」で良いし、どのPCでも同じ導入から始められる。またクリア条件が「脱出」に設定されているので、探索者は協力して真っ直ぐゴールに向かうことができる。

 

リセット

 現実世界に影響を及ぼさないので、それらの描写をばっさりカットできる。また探索者の状態もリセットできるため、閉じ込めた空間内で何をしようが構わない。

 

ギミック主体の脱出ゲーム

 「白部屋」は大抵、ギミックを解いて部屋(またはその空間)から脱出する内容である。近年はリアル脱出ゲームなどの謎解きが流行しているので、ギミック主体のシナリオが登場するのは特におかしいことではない。

 

探索者をコントロールできる

 シティシナリオや村型のクローズドだと、探索者の突飛な行動で破綻する場合がある。しかし「白部屋」は探索者の想定外の行動をほとんど許さない仕様だ。決められた物、決められた場所、決められたルールで探索者をコントロールすることで、キーパリングが簡単に行なえる。

 

時間短縮

 「白部屋」は上記のメリットの通り、様々な要素を削っている。そのため時間を短くすることができ、ボイセで30~1時間、テキストでも2~3時間で終わる内容に仕上げられる。

 

デメリット

同タイプシナリオの氾濫

 「白部屋」は量産しやすく、どうしても舞台が似通ってしまうので、これらのシナリオが氾濫している現状では「白部屋」それ自体がデメリットとなる。どんなに美味しい料理でも、毎日食べていたら飽きてしまう。

 

論理性と必然性に欠け、物語性が薄い

 メリットに「動機付けが簡単」と書いたが、これは逆にデメリットにもなる。なぜ攫ったのかだとか、何処だよここはとか、「そういうものだから」で片づけられてしまうのだ。つまり論理性に欠け、必然性の無いシナリオになりやすい。物語の背景が弱くなりがちで、ストーリーとしては面白くない。

 

《目星》ゲーム、探索者の設定が生かされない

 《目星》ばかりを振らせる。更に、他の技能の出番が非常に少ない。これでは探索者の設定や技能がほとんど生かされない。つまり、「白部屋」はギミックを楽しめるゲームであると同時に、クトゥルフ神話TRPGとしては楽しめないゲームだということだ。

 

「白部屋」が流行する理由

 

こうしてメリットを並べてみると、「白部屋」が流行する理由も何となく理解できる。

 

とにかくシナリオを作りやすいのだ。

 

本来、クトゥルフ神話TRPGのシナリオを作るのは簡単ではない。

 

前提としてそれなりの知識量が必要で、魅力的なストーリーを描く技量も求められる。

 

他のシステムと比較しても文章量は多く、読みやすい文章を書くために何度も校正しなければならない。

 

これだけ労力を割いても、シナリオを破綻させる矛盾が潜んでいる可能性が常にある。なにせ現実社会が舞台、かつ自由度のあるゲームだ。他のシステムよりも遥かに破綻しやすい。

 

「白部屋」は最低限の面白さが保証でき、作成の敷居が低いという点で見ると流行するのは必然だったのであろう。

 

「白部屋」をクトゥルフ神話TRPGにするためのアイデア

 

これらの流行を否定するわけではない。

 

しかし私から見た「白部屋」のシナリオは、少し要素をそぎ落とし過ぎている気がする。

 

それは果たして「クトゥルフ神話TRPG」として面白いのか?

 

「簡単に」を重視しすぎて、ギミックがメインでクトゥルフ神話TRPGがおまけ、ということになっていないだろうか。

 

皆が一斉に同じテーマで作品を作り、それらが大量に消費されていく。誰もがわかる世界観、テンプレート的な展開、楽しむための画一的なルールが好まれる。

 

主軸であったはずのファンタジー感やホラー感の要素が、今では「無駄」「面倒」だと削られてしまい、古き良き作品を楽しんでいた人々は戸惑いを隠せないだろう。

 

これも時代の流れ、と言われればそれまでだ。

 

しかし私は古い人間なので、「白部屋」を少しでも本来の「クトゥルフ神話TRPG」に戻すための、私なりのアイデアを記すことで反抗しておく。

 

1. 色々な技能を使わせよう

 《目星》を一切使わない。別の技能で情報やアイテムが出るようにする。それだけで他の同シナリオとは一線を画すはずだ。

 

2. 舞台を変える

 物語の舞台を「白部屋」から変更する。例えば「地下墓地」や「廃病院」「旧校舎」、更に攻めるなら「棺桶の中」「バスの中」「気球の中」など、少しでも凡百の作品とは違う舞台を用意することで、独自性を打ち出す。

 

3. 物語の背景を考える

 舞台を変更すれば、必然的に「何故この舞台なのか?」「なぜ探索者が此処に?」という理由が必要になる。つまりストーリーの背景だ。「邪神の悪意」「偶然」という意味の無い背景から一歩抜け出そう。

 

最後に


大海には「白部屋」で溢れていたが、注意深く探せばシティシナリオや村型クローズドもそれなりに存在する。

 

それに「白部屋」がつまらないというわけではない。結局はシナリオの出来次第で、面白いシナリオもたくさん公開されている。

 

「白部屋」に触れることも、見識を広める一助だ。新しいものに触れることで、新しいアイデアが浮かぶ。そうやってシナリオを作り続けてきたのだ。

 

大海を自由気ままに泳いで、私という古い人間の名前を少しでも刻んでいこう。

 

古い価値観に囚われず、新しい価値観を吸収しつつ、しかし自らの「古いセンス」を大事にしながら、これからもシナリオを作成していく次第である。